嚥下・発声の関係。言語聴覚士にもボイトレを。
鳥山です。今日は少し専門的なお話ですが、
ボイストレーナーとして、以前よりリハビリテーションの専門家の皆さんとセッションを重ね、
また、僕自身も祖父や母など家族の介護をする中で、当事者として医療機関と連携を取ってきた経験から、
今後僕のすべきことを、ここで少しお話したいと思います。
『誤嚥性肺炎予防にボイトレが効く。』の真実
様々な死へのリスクがある中で、
特に高齢になるにつれ死因の上位に食い込んでくる『肺炎』。
出典:厚生労働相
肺炎になる原因として、昨今メディアでも話題にもなっているのが、
『誤嚥性肺炎』です。
誤嚥(ごえん)とは、簡単に説明すると、
摂食の嚥下(のみこみ)の際に、
誤って気管に食べたものや菌が入り込んでしまうことです。
加齢により喉頭周辺の筋肉が弱まること、
そして反射が鈍くなっていくことが原因とされています。
誤嚥性肺炎予防の本はベストセラーとなるなど、
高齢化社会において、とても需要のあるリハビリテーションになってきています。
『喉頭周辺の筋肉が弱まる』
ことが原因とされている為、
ボイストレーニング業界でも注目され、
『発声が誤嚥予防になる!!』
と言われています。
ただし、僕が色々調べていく中で、
『ぱ・た・か』トレーニング等もありますが、
誤嚥性肺炎予防に的確に効くボイトレメソッド、
は、まだこの世には存在していないように思えます。
なぜならば、効く!
ということはわかっていても、
それに対するエクササイズの考案は、非常に困難なものなのです。
嚥下障害とは『脳・神経の機能障害』である。
なぜ、メソッドを生み出すことが困難なのでしょう。
それは、嚥下が、単純に筋力の低下によってのみ起こることではなく、
脳の中枢神経系、末梢神経系、ニューロンの伝達機能障害の方が大きな要因となっているからです。
僕は、自分で生み出した『美顔ボイトレ』のメソッドもそうなのですが、
ボイストレーナーでありながら、
かねてより脳の機能に着目してきました。
先日ブログにも記載しましたが、
発声とは主に『不随意筋(意思を持たない筋肉)』によって行われるものだからです。
喉への直接アプローチをすることよりも、
関連神経へのアプローチが一番のボイストレーニングになる。
ということ、から生まれたのが、
表情筋を用いた『美顔ボイトレ』なのです。
美顔ボイトレに対する研究を重ねるほど、
神経系への知識、エクササイズとしてのアプローチに関しては、
僕がこの国では、稀有なボイストレーナーであると自負します。
『ボイストレーニングで社会貢献を。』
が僕のテーマでありますから、
今、急ピッチでこの研究を進めています。
いかに分かりやすく、
有効であるトレーニングを生み出せるか。
これは奥深く、忍耐のいる研究ですが、
近い将来、高齢者、そして介護をされる皆さん、
ST(言語聴覚士)の先生、
医療従事者の当たり前の知識、エクササイズを、
僕はこの仕事を選んだ責任として、
この世の中に産み出していきたいと思っています。
鳥山真翔
公式HP